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中性子回折の未知構造の非経験的構造解析について





一般に中性子回折は未知構造の非経験的(ab initio)構造解析に適していないそうですが、なぜでしょうか?



X線回折では位相に対する寄与の大きい重原子が含まれていると,位相問題を解決しやすくなりますが,干渉性散乱径に大きな差がないことが多い中性子回折では重原子法が使えないことが多いということです.



・原子の中性子散乱能(干渉性散乱径bc)に大きな差がなく、位相を決めにくい。
・X線では原子散乱因子の違いで重元素、軽元素の見分けがつき、未知構造解析への足掛かりとなる。
・中性子では干渉性散乱径が重元素、軽元素にたいして差が無いので見分けがつかず、足掛かりがつかないため、未知構造解析には向いていない (重原子法が使えない)。
・計数統計がX線回折に比べそれほど高くないことから、複雑なパターンでは弱い反射を取りこぼす可能性がある。